仕事を続けることが心身の負担になっているとき、休職は回復のための選択肢の一つです。当院では休職を一律に勧めるのではなく、症状、仕事の状況、ご本人の希望、職場で可能な調整などを確認しながら検討します。
休職するかどうか、復職できるかどうかは、診断名だけで決まるものではありません。症状や治療経過、実際の仕事内容、職場の制度や受け入れ体制などを踏まえて検討します。
休職を検討するサイン
- 朝起きられず、出勤が難しい日が増えている
- 眠れない、食べられない、休んでも疲労が回復しない
- 集中力や判断力が落ち、重大なミスや事故が心配
- 仕事を考えると強い不安、動悸、吐き気などが起こる
- 勤務を続けることで症状が悪化している
- 日常生活や身の回りのことも難しくなっている
休職を避けたい場合には、勤務先で可能であれば、業務量、勤務時間、在宅勤務、担当業務などを調整することで負担を軽減できることがあります。一方、安全や回復のために、いったん仕事から離れて療養する必要がある場合もあります。
休職までの一般的な流れ
- 診察と状態の整理:症状、これまでの経過、勤務状況、生活への影響などを確認します。
- 選択肢の検討:治療を続けながら働く方法、勤務上の配慮、休職の必要性などを検討します。
- 診断書等の作成:医学的に必要と判断した場合、療養期間や就業上の配慮について診断書等を作成します。
- 職場での手続:診断書を提出し、勤務先の就業規則に従って休職期間や必要な手続をご確認ください。
- 治療と定期診察:休養、症状、生活リズムなどを確認し、回復段階に応じて治療や今後の計画を検討します。
診断書は、ご希望だけで必ず発行できるものではありません。診察内容と医学的判断に基づいて作成します。診断書・各種書類の作成には、内容に応じて3営業日~2週間程度かかる場合がありますので、提出期限に余裕をもってご相談ください。勤務先指定の書式がある場合はご持参ください。
診断書・各種書類の種類と料金についてはこちらをご覧ください。
休職中の過ごし方
回復の初期
まずは安全と休養を優先します。睡眠や食事が大きく乱れている場合は、無理に活動量を増やそうとせず、診察を受けながら生活の土台を整えます。
回復が進んだ時期
体調に応じて起床・就寝時間を整え、日中の外出や家事などの活動を少しずつ増やしていきます。調子の波や疲れ方、症状が悪化しやすい状況についても確認します。
復職準備の時期
勤務に近い生活リズムを整え、日中に読書やパソコン作業、外出など一定の活動を続けられるか確認します。仕事内容や職場の制度に応じて、復職後の勤務時間や業務量、必要な配慮についても検討します。
復職準備を確認する方法
復職を検討する際には、症状が軽くなったことだけでなく、勤務を想定した生活をある程度安定して続けられるかを確認することが大切です。
確認方法の一例として、起床・就寝時刻、睡眠、日中の活動、外出、体調などを生活記録として振り返る方法があります。例えば、2週間程度の経過を振り返ることは、生活リズムや活動状況が一時的ではなく安定しているかを考える際の一つの目安になります。
また、職場の制度や状況によっては、実際の通勤時間帯に外出したり、勤務先付近まで移動したりする「通勤訓練」を行うことがあります。例えば、平日に数日間続けて通勤に近い行動ができるかを確認することも、復職準備を考える方法の一つです。
生活記録や通勤訓練は、すべての方に必要なものではありません。
復職準備を確認する方法の一例です。仕事内容、勤務時間、通勤方法、職場の復職制度、症状や治療経過などによって、適切な確認方法は異なります。
復職前に確認すること
- 睡眠・食事・服薬などが安定している
- 起床・就寝など、勤務日に近い生活リズムを継続できている
- 日中に一定時間活動しても、翌日に大きく崩れない
- 勤務に必要な集中力や判断力、対人対応などが回復してきている
- 不調のサインと、悪化したときの対処方法を整理できている
- 職場の復職手続、面談、試し出勤・段階的復帰などの制度を確認している
一時的に元気な日があることだけでなく、勤務を想定した生活をある程度安定して続けられるかを確認します。復職の時期については、診察で経過を確認しながら検討します。
復職までの役割分担
- 主治医:病状と治療経過を確認し、職場復帰が医学的に可能な状態か、就業上どのような配慮が考えられるかについて意見を示します。
- 勤務先:就業規則、業務内容、安全への配慮、受け入れ体制などを踏まえて、職場復帰の可否や復帰後の勤務内容を判断します。
- 産業医・保健スタッフ:職場の実情を踏まえて、就業上の配慮や職場復帰支援について検討します。
- ご本人:体調や希望を伝え、必要な手続や治療を続けながら復職準備を進めます。
主治医の診断書は医学的な意見を示すものであり、最終的な職場復帰の決定は勤務先が就業規則、業務内容、受け入れ体制等を踏まえて行います。職場との情報共有は、原則としてご本人の同意を得て必要な範囲で行います。
当院でできるサポート
- 症状、仕事の負担、生活状況などを踏まえた休職の必要性の評価
- 治療、生活リズム、回復段階の定期的な確認
- 生活リズムや日中の活動状況などを踏まえた復職準備についての相談
- 医学的に必要な診断書・意見書の作成
- 復職時期、段階的な復帰、勤務上の配慮についての相談
- ご本人の同意に基づく、産業医・職場・関係機関との連携
当院は、会社の人事判断、労務・法律上の判断、職場での出来事の事実認定を行う機関ではありません。勤務先の制度や手続については勤務先へ、労働制度等については必要に応じて労働局などの窓口へご確認ください。
緊急時について
強い希死念慮、自傷・他害のおそれ、過量服薬、意識や会話が普段と大きく異なるなど、ご本人や周囲の方の安全に関わる緊急性がある場合は、予約日を待たず119番・110番または救急医療機関等へご相談ください。