不眠症の人や抗うつ薬で治療中の方でたまに夕方から夜にかけてじっとしていられなくて眠れないなどいわれる方がいます。パニック障害の人ではじっとしていられないことで不安の発作を起こしてしまうこともあったりするので少々厄介な状況になります。話を聞くとRLS(Restless Legs Syndrome:むずむず脚症候群)だなと思うことがあり、どちらもある程度対処可能なものなので一度紹介します。
RLS(むずむず脚症候群)とは
特徴
RLSは脚に不快な感覚が生じ、動かさずにはいられなくなる障害です。原因はいまだ不明ですが、パーキンソン病や多系統萎縮症、本態性振戦、トゥレット症候群、フリードリヒ症候群、脊髄小脳失調などドーパミンの関係する疾患と合併することが多いことからこれら脳内のドーパミンとの関係が想定されています。これはRLSにドパミン作動薬(ドーパミンを出す薬)がなぜか効いたということも背景にあります。ちなみに”脚”といいますが、脚だけでなく、お腹や背中に感じるという方もいるようです。
主な特徴は
- 脚に「むずむず」「ちくちく」「虫が這う」ような不快な感覚が生じる
- 安静にしているときや夕方から夜間に症状が悪化する
- 動かすことで一時的に症状が軽減する
- 睡眠の質が低下し、日中の疲労感や集中力の低下につながる
診断基準はありますが、明確な検査などはまだありません。
また、長時間の座位や臥位状態、ストレスや不安、睡眠不足、カフェインの過剰摂取、アルコールの摂取、喫煙、一部の薬剤(抗うつ薬、抗ヒスタミン薬など)、鉄分不足、妊娠(特に後期)などで悪化します。
基本的にドーパミンがらみで、体内でドーパミンを作るときに鉄とビタミンB6が必要になるのでそれらが不足する状況だと起こりやすいようです。
治療
RLSの治療は以前は、先に述べたドパミン作動薬が使われていましたが、長期に使うとむしろムズムズの頻度や時間を延ばしてしまうことわかったため使うにしても短期間のほうが良いようです。
他には
- 鉄分補給:経口だと吸収効率などの問題があるため点滴が望ましいらしいです。
- 薬物療法:ガバペンチン、プレガバリン、クロナゼパムなど。
- 非薬物療法:規則正しい睡眠習慣、カフェインやアルコールの制限、軽い運動、マッサージなどが効果的です
まとめ
RLSのせいで眠れなくなることがありますしなにより落ち着くことができなくなるので疲れます。つかみどころのない症状なので自覚や特定が難しいので少し振り返ってみてこのようなものがあるようならご相談ください。