休職について|人形町駅前こころのクリニック|人形町駅 の精神科・心療内科

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休職について|人形町駅前こころのクリニック|人形町駅 の精神科・心療内科

こんにちは

新年度が始まり職場などにうまく適応できず抑うつ状態となる、いわゆる適応障害の方が増えてきています。症状の強い場合にはドクターストップつまり休職に入っていただくことを勧めるのですが、よくどのような流れか聞かれます。普通に勤務していて休職について精通しているとしたら人事関係の仕事をしている人くらいなので無理もないですね。

休職の際によくある流れ

そもそも休職って

一般的に在職中に傷病などで休業を余儀なくされた場合には休職制度が利用されることがあります。具体的な内容は各会社、事業所によってことなり、社内規則で規定されていることが多いです。法律的な制約はないので、ワンマン企業、家族経営などごく小規模の事業所の場合ないこともありますが、一定規模の会社であれば基本的に規定があります。ないからと言って即ブラック企業というわけではなく、例えば5・6人の規模の場合は個別ケースで判断したほうが処理が早かったりしますので一概には言えません。むしろ傷病者に対してどのように対応してくれるかというのが重要な気がします。規則があっても担当者が把握せず提出した診断書を破り捨てる、とかのほうがよっぽどブラック企業なのでしょうね。昔経験しましたが。規則はなくても誠意ある対応を、というのが労働安全衛生法(労働者の安全や衛生を守るための法律)の考えであったりします。

休職、病休、欠勤、無給休職

休職と一概にいっても書類上のステータスが少し違ったりします。要するに給料が支払われるかどうかですね。狭い意味で休職というと、会社に在職しながら無給で休んでいる状態を指します(無給休職)。無給なら休んでいる場合じゃないと思うかもしれませんが後述するように民間保険や傷病手当金というものが利用できたりします。そのほか、たまった有給で休みを取る方法がありますが、精神科だと2・3か月休むことがざらなので足りないことが多いです。

大企業や公務員になると休職制度とは別に病気休暇、私傷病休暇などの休暇が規定されていることがあります。これは90日くらいの期間(60日のこともあります)、給料をもらいながら休むことができる制度です。ありがたいですね。複雑でない適応障害などもこの期間に何とかなることもあります。これがある場合、病気休暇の期間で復職ができないと休職(無給)に移行してゆきます。これらに加えて公務員(と一部の大企業)の場合は無給休職中に共済組合のほうから保障が入ることがあり、比較的長い期間経済的な支援を受けながら療養をすることができます。

ちなみに欠勤というのは労働所定日においての自己都合による休みのことをいうことので要は有給や休職ではない休暇になります。

傷病手当金

傷病手当金とは疾病などにより休職し無給となった状態に対して社会保険からでる補償のことをいいます。おおむね基本給の7割くらいの金額が最長1年半ほど受け取れます。ただし、社会保険に加入していることが必要(会社も本人も)で、新規入職に際しては支払われないこともあるので確認が重要です。だいたい会社を通して組合に申請書を提出することになり、本人記載欄を記載し、会社に事業所記載欄を埋めてもらって、その病気の主治医に療養担当者欄を埋めてもらいます。主治医の記載は保険診療になるので3割負担なら300円ほどになります。休職中に退職となった場合でも1年半の期間内であれば受け取れますが、その場合は個人と組合のやり取りとなります。

休職の流れ

休職に入る場合、社則に”診断書を添付して”という形が多いので診断書(傷病手当の申請書と異なります)を書くことが多いです。あくまで社則なので許してくれれば口頭のみでOKなこともあります(小規模だとこのパターンがある)ので診断書料金が気になる方は社則を確認してから医師に依頼するほうが良いかもしれません。診断書が出た場合それを上司を通して人事/総務に提出し休職が許可される、という流れです。メンタルのケースにおいてですが、直接の上司との関係が悪い場合、人事に直接という手段もあります。あとは動きの良い健康管理の保健師あるいは産業医などに依頼するというのも可能なことがあります。法律上の制限はないはずなのでやりやすい形で提出するのが良いと思います。この辺は言葉は悪いのですが出したもの勝ちです。仮に社則で必ず上司を通して、と記載されていても休職が必要な状態であるという事実を知った会社はそれに対しての安全配慮義務が出てくるので事実上受けるしかありません。ですが、復職などその後のことを考えると会社との友好的な関係は必須になってくるのでできる限り許しをもらってからやったほうが良いのは言うまでもありません。あくまでこんな形でも大丈夫、という安心材料として思っていてください。

ここに記載していないケースなどもあり、会社などによって変わったり事情が込み入っていたりするとよくわからなくなると思います。そのようなことであっても話していただければ対応いたしますので気軽に相談ください。