産後うつの話|人形町駅前こころのクリニック|人形町駅 の精神科・心療内科

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産後うつの話|人形町駅前こころのクリニック|人形町駅 の精神科・心療内科

会社や学校、職場でお悩みを抱えている方

こんにちは。

サプリメントで問題が起きています。安全性はもちろん重要ですが、ちゃんと聞くものを使用したいところです。

今回の話は海外で産後うつを予防するサプリメントが発売される件です。

産後のうつ状態

出産後にうつ症状がよくおこることが知られています。だいたい産後3日目から悲しい気分、泣き癖、不安、不安定さ、食欲減退、疲労、イライラなどが始まり1週間もすれば治まることの多いもので、症状が重かったり長く続くものを産後うつ病と言ったりします。出産後からの育児などもやらなくてはならない重要な時期なので通常のうつとは別に研究が進んでいたりします。

今回のものはBlues Away®というものらしいです。カナダで今月から発売するそうです。

産後うつの原因?

ちょっと脱線しますが、モノアミン酸化酵素(MAOと略します)というものがあります。これは脳の神経伝達物質である、ドパミン(ドーパミンのことを医学とかだと短く書くことが多いです)やセロトニンなどを分解する物質です。ドパミンやセロトニンが少なくなるとうつ症状やパーキンソン病(手の震えや歩きづらさが生じる病気、志村けんさんが生前老人を演じる際によく震えていましたがああいう震えに似ています。)などを引き起こすことが知られています。そのためMAO阻害剤というMAOを減らすことで分解されるドパミンを減らし、相対的にドパミンを増やす薬がパーキンソン病などで使われます。

そのMAOですが、よくわかりませんが産後にとても増加するそうです。そうなると産後にはドパミンやセロトニンがどんどん分解され減ってしまうので、うつになりやすかったりする、ということなのでしょうか。

例のサプリメントはなんてことはないドパミンとセロトニンの原料であるチロシン、トリプトファンというアミノ酸にブルーベリージュースの成分を入れたものだそうです。ブルーベリーの目的は抗酸化物質とのことで(アントシアニンでしょうか)MAOがドパミンやらを分解する際に過酸化水素(オキシドールの成分、体内だと活性酸素のように細胞を痛める原因となる)を出すようでそれを抑える意味でのもののようです。

栄養は取ったほうがよさそう

産後の抑うつ症状がドパミンやセロトニンの低下で起きるのか過酸化水素のせいで障害を受けて起きる(この辺、脳内の炎症ということで疲労感と結びつけると面白いかもしれません)のかはまだよくわかりませんが、上記のサプリメントで予防ができたそうです。画期的ですね。今回のものは海外のものなのでいずれ日本にも来るかもしれませんが、今世間ではサプリメントの安全性の懸念がつよいのでもう少し静観ですね。また、今後出産のときのブルーベリーとプロテインが流行るかもしれません。

それにしても最近の研究みると抗酸化物質がキーだったり、つまるところ精神障害の予防はアンチエイジング医療にかぶっていることが多いですね。

論文出してもあれなので、いつものNeuroscienceNewsのリンクを張り付けておきます。https://neurosciencenews.com/postpartum-depression-supplement-25899/