こんにちは
心臓病とうつの関連に炎症が関係する、心臓病とうつの治療薬が炎症を低減させる、という記事をみてました。
心臓病とうつ(詳しく)
脳梗塞や脳出血など脳に影響する循環器(心臓とか血管)の病気でうつ病がよく発症するのは記憶にあったのですが、よくよく考えると同じ循環器でも心臓病とうつ病というのは何となく、そうかも、程度の認識だったと思いました。
なので改めて教科書を開いてみましたが、やはり脳の病気ことはそれなりに書いてあっても心臓となるとあまり記載がありませんでした。仕方がないのでreview(いくつかの研究をまとめた研究の論文、権威と信頼性がある)をあたってみると相応に危険なようです。
心臓病の方はうつ病を発症しやすいし、うつ病の人は心臓病(特に心筋梗塞)を発症しやすい。また、心臓病と症状の重いうつ病があると死んでしまう可能性が高くなるというのがかなり強い確度であるようです。
脳の病気でうつは脳自体がダメージを受けるのでうつなどが出るのは理解できますが、心臓がダメージを受けてうつとなるのは何かが間に挟まっている気がします。ぱっと見て酸素かなと思いましたが、そうでもなさそうです。
まず背景の生活習慣、もしくは生活習慣病の有無は影響するようです。高血圧、高脂血症、糖尿病などはそろうと心臓病になりやすいのはもはや常識なレベルのことなのですが、うつについては、うつが強いと運動もあまりできないし食事もちゃんとはとれなくなるため結果的に生活習慣病になりやすくなってしまう。なのでそういう共通する要因がまずあるようです。
それだけでも十分納得できそうですが、それとは別に、うつ病によって生じたと思われる自律神経の障害(論文だと心拍数の変動の低下)や、炎症性サイトカイン(風邪や打撲などで細胞が障害を受けると周囲に”炎症”を引き起こすようにまき散らす物質)により動脈硬化が進む、という要因があるようです。
脳の炎症
ここの部分を記事は言っているようです。炎症性サイトカインについては筋肉の疲労ではない疲労感の原因ともいわれていて、動脈硬化やらで起きた炎症が脳にたどり着いてうつを引き起こすと考えると納得できそうです。
ちなみに”疲労感”ですが、個人的にうつと疲労は突き詰めて考えると何が違うのかわからない、と思っていて最近の興味の中心です。
ただ、抗うつ薬は心臓病の方の生存期間を改善しない、ということもあるようで、一回なると今のところどうしようもないですね。なのでうつの時も可能な限り適切な運動と生活習慣へ近づけてゆく必要はありそうです。
Link Between Heart Disease, Depression, and Inflammation Found